初めてオンラインカジノのプレーヤーが逮捕された事件「スマートライブカジノ事件」。オンラインカジノの違法性を議論する際には必ず話題になる事件です。この記事では、スマートライブカジノ事件について、一連の流れを詳しく解説します。
ベラ子
スマートライブカジノ事件とは?事件の一連の流れ
スマートライブカジノ事件は、2016年3月、オンラインカジノを利用していた日本人プレーヤー3名が、国内でカジノに興じていたということで賭博罪に問われ、逮捕された事件です。
ブログやSNSサイトの情報から3人がスマートライブカジノでプレイしていることを把握した警察が、自らスマートライブカジノのアカウントを作成して同じライブブラックジャックテーブルへ潜入。
内偵して賭けが行われているという実態を掴み、逮捕に至りました。
参考⇒ベラジョンカジノは賭博罪にあたる?賭博罪に抵触して摘発された事例
スマートライブカジノ事件でプレーヤーが逮捕された理由
通常は、オンラインカジノを利用していても逮捕されません。実際、スマートライブカジノ事件を除いて、オンラインカジノのプレーヤーが逮捕された事例はありません。
それ以前は「NetBanQ」という決済サービスの運営者が逮捕されたりと、運営側が捕まることはありましたが、利用者が逮捕されることはありませんでした。
ではなぜ、スマートライブカジノ事件ではプレーヤーが対象になったのでしょうか?その理由を4つ紹介します。
理由① 胴元が国内にいると判断できる理由が揃っていた
最も大きな理由が、オンラインカジノの運営が国内にあると判断されたことです。
日本の法律は日本の主権の及ぶ範囲内でのみ効力を発します。そのため、海外での行為については現地の法律に委ねられ、日本の法律が適用されることはありません。
この方のように、海外旅行でランドカジノを楽しんできても逮捕されないことからも、イメージできるでしょう。
通常のオンラインカジノは海外の企業が運営しており、サーバーも海外に置いているため、日本人が利用していても逮捕されることはありません。
スマートライブカジノもイギリスの企業が運営をしていました。しかし、逮捕された3名がプレイしていたライブブラックジャックのテーブルは、以下の条件が揃っていたのです。
- 日本人のディーラーがゲームを進行している
- 日本時間の夕方から深夜にかけて(=日本のサラリーマンがプレイしやすい時間帯)テーブルが開かれていた
- プレーヤー同士、またプレーヤーとディーラーの間で日本語によるチャットのやりとりが可能だった
以上の条件から警察は、プレーヤーが日本国内でカジノをプレイしているも同然と判断し、刑法の賭博罪を適用できると考えました。
ランドカジノにも日本人のディーラーがいるのに、オンラインカジノでは日本人ディーラーはNGというのは納得できないですよね。
理由② チャットの記録とSNSやブログの情報からプレーヤーが特定された
逮捕されたプレーヤーが特定されたのは、チャットの記録が残っていたことが原因です。
3名のプレーヤーはライブゲーム中のチャットを楽しんでおり、またそのプレイの様子をSNSやブログで公開していたことから、アカウント名と個人を紐づけることが容易でした。
プレーヤーが一切チャットの書き込みをせず、またプレイの様子を対外的に公開していなければ特定されることはなかったでしょう。いくら警察とは言え、海外の企業にまで情報の開示を行うことはできないためです。
スマートライブカジノ事件の結末
スマートライブカジノ事件によりプレーヤー3名は逮捕されました。しかし、「逮捕=有罪」ではありません。逮捕後に起訴され、裁判により有罪の判決が下されて初めて有罪が確定するのです。
実はこの3名のプレーヤーは、異なる結末を迎えることになりました。
2人のプレーヤーは略式起訴を受け入れる
3人のプレーヤーのうち2人は「単純賭博罪」として略式起訴を受け入れ、罰金を支払うこととなりました。
警察側も長く争いたくはないため、軽度な犯罪の場合は略式起訴で済ますことが多々あります。略式起訴とは簡略化した起訴の方法で、罪を認める代わりに正式な裁判を行わず、略式手続で処分を終わらせることです。
漫画家の蛭子さんは
逮捕され、野球の東尾さんは半年出場停止になった。検事長って人を起訴する権限を持つ権力者だよね。その人には訓告で終わり、辞職させて7000万円も退職金払うの? pic.twitter.com/xVM9jmvsgq— 増村耕太郎 (@masumura2915) May 22, 2020
一般的な賭けマージャンなどが摘発された際は、略式起訴により判決を確定させるのが一般的です。漫画家の蛭子能収さんも、1998年に賭けマージャンで略式起訴され、罰金10万円を払っています。
1人のプレーヤーは徹底抗戦し不起訴を勝ち取る(無罪)
逮捕に納得がいかなかった1人のプレーヤーは、弁護士をつけて徹底抗戦をしました。この事件を担当したのが、津田岳宏という弁護士さんです。
Twitterのプロフィールにも「賭博罪の専門家」と記載されていますね。この津田弁護士が事件の概要をまとめ、以下の内容を記載した意見書を検察庁に提出しました。
- 賭博罪とはそもそも運営側を処罰するためのもの
- プレイしていたライブブラックジャックのテーブルが日本で運営されていると見るのはおかしい
- スマートライブカジノ自体は海外の企業が合法的なライセンスを取得している
- よって今回の事件による逮捕は不当な逮捕である
この意見書を受け、検察側はプレーヤーを不起訴とする処分を決定しました。つまり「無罪」ということです。
スマートライブカジノ事件
自宅のパソコンから無店舗型のインターネットカジノで賭博をしたとして、賭博法違反の疑いで、カジノ利用者の男3人を逮捕。
裁判の結果、検察は不起訴処分を下しました。
「個人でオンラインカジノをプレイすることは違法とはいえない」という根拠が得られた判決でした!
— バカラ生活 (@k4s8ZvUdrKbxHmm) June 26, 2020
争う姿勢を見せると不起訴になったということは、警察自身もオンラインカジノの利用者を逮捕することには後ろめたさがあったことが伺えます。有罪と確信できるのであれば、起訴して裁判に持ち込むはずですからね。
詳しくは津田弁護士のブログもご参考ください。
警察が逮捕を強行したのはパチンコ業界を守るためだった?
あくまでも私見ですが、オンラインカジノのプレーヤーが逮捕された裏にはパチンコ業界を守りたいという思惑もあったのではないかと考えています。
パチンコは警察庁管轄であるため、オンラインカジノにプレーヤーが流出することによりパチンコ離れが加速していた状況を食い止めたかったのではないでしょうか。
そのためか、スマートライブカジノ事件の頃は、ドリームカジノ事件やNetBanQ事件など、オンラインカジノ関係者が逮捕される動きが多く見られました。
しかし、スマートライブカジノ事件の逮捕者が不起訴処分となったことで、オンラインカジノの違法性のなさが証明され、その後、オンラインカジノ関係者が逮捕されることはなくなりました。
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スマートライブ事件を教訓に考える正しいオンラインカジノの利用方法
現状オンラインカジノは完全に合法というわけでもなく、あくまでもグレーゾーンにあります。
これは2021年6月にAbemaTVの『Abema報道リアリティーショー アベプラ』で放送されたものです。
動画中にオンラインカジノについての警察庁の見解が紹介されていますが、「普通に違法行為。刑法の賭博罪を使っての立件は可能」としています。
実際にカジノ法案が整備され施行されるまで、オンラインカジノはグレーゾーンのままでしょう。無用な逮捕を避けるためにも、しっかりとスマートライブカジノ事件の教訓を生かす必要があります。
日本人専用テーブルでのプレイは控える
心配な方は念のため、日本人専用テーブルを避けてプレイすると良いかもしれません。しかし、スマートライブカジノ事件でもかなりこじ付けた感があるので、それほど意識しなくていいかもしれません。
実際に、ライブカジノの大手プロバイダであるEvolution Gamingは『Japanese Roulette』という日本人専用のライブテーブルを用意しました。ディーラーとは日本語で話ができますし、日本人が利用しやすい時間帯にオープンしているテーブルです。
多くのライブカジノゲームを配信するEvolutionGaming社から『Japanese Roulette(ジャパニーズルーレット)が登場😍
このゲームには、日本語を話すディーラーさんがいるんだ💃🕺
毎日15:00~03:00(日本時間)にOPENしてるよ🎉#シンプルカジノ へ👉https://t.co/zEp6REUMkN #カジノ #ルーレット pic.twitter.com/MbwcvCiYvh
— SimpleCasino – シンプルカジノ – (@SimpleCasino) December 24, 2019
オンラインカジノ側も当然、スマートライブカジノ事件のことは知っているでしょう。それでもこのようなライブテーブルを用意しているということは、日本人専用テーブルであってもお咎めなしであろうと考えていることが伺われます。
ライブカジノのチャット機能は使わない
スマートライブカジノ事件ではチャットの記録からプレーヤーが特定され、逮捕に至りました。チャットにはプレーヤーのアカウント名も表示されるため、個人が特定されるリスクがあります。
美人ディーラーに「彼女いる?」などと聞くのはライブテーブルの醍醐味ですが、無用な逮捕のリスクを避けるためには、使わない方が賢明です。
参考⇒ベラジョンカジノに住所を登録すると危険?自宅に連絡や手紙が届く?
オンラインカジノをプレイしていることは公にしない
スマートライブカジノ事件では、ブログやSNSにオンラインカジノをプレイしていることを公にしていたことも、プレーヤーの特定に繋がりました。そのため、オンラインカジノを利用していることは、口外しないのがおすすめです。
ただ、最近は顔出しでYouTube配信しているようなプレーヤーもいます。
ですので、最善を期すなら公にしない方が良い、というレベルの話です。
利用するオンラインカジノの運営会社とサーバーの所在地を必ず調べる
オンラインカジノ利用の違法性を大きく左右するのは運営会社とサーバーの所在地です。いずれかが日本にある場合、そのオンラインカジノを利用すると違法になります。
と言っても、そもそもカジノの運営会社を日本で法人登記することはできません。カジ旅のように、オンラインカジノ名に日本語が含まれていたとしても、運営しているのは海外企業です。
それでも心配な方は、オンラインカジノサイトの最下部あたりに運営会社の情報が記載されていることが多いので、そちらを確認してください。
これは、ペラジョンカジノの運営者情報です。
また、サーバーの所在地はIPアドレス住所検索というサイトから簡単に検索できます。
検索窓にオンラインカジノサイトのURLをペーストするだけで、検索できます。例としてベラジョンカジノのサーバー所在地を検索してみると、アメリカのカンザス州にあることが分かりました。
参考⇒ベラジョンカジノの安全性!安全なオンラインカジノの理由
スマートライブカジノ事件のまとめ
スマートライブカジノ事件は史上初めてオンラインカジノの利用者が逮捕された事件です。逮捕された3名のうち、2名は略式起訴を受け入れたものの、残る1名は徹底抗戦し、不起訴処分を勝ち取りました。つまり無罪であるということです。
スマートライブカジノ事件以降はオンラインカジノの利用者に逮捕者が出ていません。
ただし、現行法においては完全に合法というわけでもないので注意してください。無用な逮捕のリスクを背負いたくない方は、記事の最後に紹介した4つのポイントを守ってオンラインカジノを利用するようにしましょう。
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